小学校の卒業式、何着る?~小学生と着物や袴、十三参り

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最強の寒気団到来と共に、学生さんにとって、正に受験シーズン、大本命のまっただ中です。
寒さなんて吹き飛ばして、万全のコンディションで人生の一大事に挑戦し、見事な「サクラサク」になられるよう
エールを送ると共に深くお祈り申し上げます。

そして、無事に乗り切った後、数週間から一か月もすれば、卒業式となります。
制服がある学校は勿論、制服での卒業式ですが、北~東日本の公立小学校では、私服の学校が主流であるので、
ゆえに、卒業式に着る服の事でいろいろと準備が必要です。
主流は男女ともにスーツが多く、制服を注文する業者での卒業式用レンタルスーツを利用する親御さんが最も多かったです。
私の子供の時も、男女とも、早々に中学の制服着用、というお子さんはほぼなく、殆どが卒業式用スーツでした。

近年、成長の思い出としてより豪華な衣装で臨む児童さんもおり、特に女子では顕著です。
中でも、小学生の和装及び袴がここ最近見受けられるようになりました。

これは風習の一つである「十三参り」から来ているのかもしれません。

ここで「十三参り」を簡単にご説明します。

十三詣りあるいは十三参り(じゅうさんまいり)は旧暦の3月13日前後 (新暦の3月13日から5月13日)に、
男女とも数え年13歳でおこなう祝いであります。
今は子供の多福・開運を祈り、小学校を卒業して中学校に入学する春に寺社に詣でる形式が一般的となり、まさに卒業式と重なるのです。
その際、正式には、初めて大人の寸法(本断ち)の晴れ着を着用し、肩上げを必ずする。
この時期にそろえた着物をおりあるごとに着せて、着物になじませ自然に立居振舞を身につけさせるはじめとする、とされます。

男子は、昔は元服は十五歳でしたが、その前の十三歳が半元服であり、大人の仲間入りをする年齢だった説や、
厄年を迎える初めての年が13歳であり厄払いの意味があった説、
虚空蔵菩薩が菩薩の中で13番目に生まれたとされており、これが由来となった説などがあるそうです。
また、女子は髪上げ式と呼ばれる儀式があり、それまで垂らしていた髪を大人の女性と同じように結い上げるものだったそうです。

晴着を着て、虚空蔵菩薩を祭る寺院に詣でるそうで、別名「知恵詣り」「知恵もらい」とも云われているそうです。

(引用元:ウィキペディアより)

この儀式・風習は主に関西地域が主流の様で、関東及び東北育ちの私には全く馴染みがなかったのですが、
筑波山ふもとで育った70代の義母によると、その家の長女がやはり「十三参り」として振袖を着る風習・儀式があったようです。
今は、関東圏でも「十三詣り」をする寺院があります。

正に大人の仲間入りを果たす儀式なんですね。

「中二病」なんて言葉があるくらいなので、心構えとして、儀式はやはり大切にしたいですね。
20歳だから、すなわち大人、では決してないのです。
心構えをして、身に着けるべきマナーをきちんと身に着けて、徐々に大人になっていくのです。

まあ、こうした儀式を抜きにしても、卒業式に袴を着せたいというのは、
これは、子供の希望よりは殆どが親が「着せたい」との願望の様で、子供自身は「えーみんなと同じでいいよ」という声が多いようです。
実際、私の子供もそうでした。

小学5年生の時に、1学年先輩の卒業式に出るのですが、その時、卒業式に臨む6年生女子の数名が和装・袴着用でした。
しかし、普段では着慣れない装いのため、長時間での寒い体育館での拘束や冷えによる体調の悪化や、トイレ事情の不便や不慣れさ、
そして卒業証書授与の時に壇上に上がる際に、動きがスムーズでなく、足元などおぼつかず、つまずき、転び、
折角の思い出の舞台なのに、残念な事になってしまったのでした。
更に、髪を綺麗にセットした着物・袴女子に見慣れない男子が、照れ隠し(?)にからかうというお馴染み(?)の行動に出て、
そんな光景を目の当たりにした当時の小学5年生女子は、
たとえどんなに親が望んでも自分たちは洋装で、出ようと固く心に誓いあったそうです。
(これ、実話です)
そして、それから1年経過し、卒業式当日、着物袴の女子は皆無だったのでした。

親御さんとしては、十三詣りだけではなく、卒業式という晴れの舞台にやはり着せたい!という願いが強いと思いますが、
子供たちの想いや現状を思うと、双方マッチせず難しいですね。
そのうち、長時間でも苦にならない卒業式セットが出てくるのかもしれませんね。
あっ、そうなると、「立居振舞を身につけさせるはじめとする」という主旨が薄れてしまいますか、ね。

それでも、やっぱり、卒業式は着物と袴で!という親御さんは、卒業式前にお子さんに着付け、
立居振舞を慣れさせておく必要がありますね。

私の子供の場合、習い事や家族の行事で丁度、公の場にも出ることもあって、楽天で販売している卒業用スーツを購入しました。
料金は1万円でサイズは165センチでした。
でも、中学校の制服のサイズに比べると、かなりの細身で、結局、小学校卒業前後に2~3回着用した位で、
今現在も使用できるものは、スカートだけですね。
しかも、スカート丈も短めで、今は思いっきりミニスカートです。

私の子供以外に、購入したスーツを着用してきたお子さんも結構いましたが、
デザインは、オーソドックスな物が多く、明らかに華美で目立ってしまうスーツ着用の子は、批判の対象とされていまいました。
子供には罪はないので、洋装のスーツでも、和装の袴でも「目立ちすぎない」ことは大切なポイントだと思います。

ちなみに女の子の場合、服はオーソドックスなスーツでも、髪型を綺麗にちょっと豪華にセットしてきたお子さんは多かったです。

卒業式の後に、すぐに謝恩会もあって、卒業式関連の行事が終わったのが夕方だったので、
それを鑑みると、動きやすい服装がベターなのかもしれません。

入学の準備に何かと出費があって親としては大変ですが、選択幅のある小学生の卒業式の服装は、
お子さんと相談の上、親も子供も双方、納得のいくものを選んでいきたいですね。