目の不調をきっかけに不眠と強い不安が続く80代の母~認知症疾患専門病院へ行ってきました

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齢82歳で一人暮らしをしている実家の母が、昨年暮れに目の不調を訴えて以来、気持ちがかなり不安定になり、
昼夜問わず、電話をしてくるようになってしまいました。

高齢な母の通院・病院付き添い実感~眼科へGO

更に、すぐにパニックを起こしたり、不眠が続き、かなり血圧が上がったり、物忘れが頻繁に起こるようになったりと
症状が出て、感情のコントロールも出来なくなり、些細なことで涙ぐみ、
しまいには「もうイヤ。死にたい。」と言うようになってしまいました。

不安な気持ちが強いときは、目の不調も、歯茎の痛みも忘れてしまい、不安な気持ちが収まると今度は、
「歯茎が痛い」「目が変だ」と急に訴えてくるなど、そうした状態が1月後半より顕著になってしまい、
専門の病院を探すことになりました。

とはいえ・・・いわゆる「精神科」にはかなりの抵抗がある実家の母です。
いろいろ差別的な発言をしたり、強い薬を飲まされるなどとは言って受診しようとはしませんでした。
私と姉とそして母の学生時代からの友人からの度重なる説得により、ようやく受診する気になりましたが、
今度は受け入れてくれるクリニックが見当たりません。
年齢を告げると「老人はみない」と断られてしまいます。

まずは認知症を疑うわけです。
高齢になると、まずは認知症の発祥の有無を疑うのです。



最近は60代や70代になってから「うつ病」を発症する方も増えているとのことです。
うつ病と認知症、特に「抑うつ」と呼ばれる症状が認知症の症状でも該当すると言われており、記憶低下の症状も出るので、
50代以上になると、認知症も疑われたり、或いは認知症と間違われやすいそうで、
まして80代ともなると、素人では余計に判断が付きません。
勿論、老人性のうつ病かと思ったら、実は認知症だった・・というケースも多々あるそうです。

(参考:認知症フォーラム.com)

ここで、簡単に「抑うつ症状」について説明します。
抑うつ(抑鬱、抑欝、よくうつ)とは、気分が落ち込んで活動を嫌っている状況であり、
そのため思考、行動、感情、幸福感に影響が出ている状況のこと[1]。抑うつというだけでは原因不明の症状である。
うつ状態とは、状態像であり、抑うつの症状が精神状態の中心となっていることを意味する。

死別や経済破綻、災害や重篤な病気などへの反応は、理解可能な正常な悲観反応である。
抑うつの原因が全て精神障害であるとは限らず、認知症の初期症状や、甲状腺機能低下症あるいは亢進症など他の医学的疾患も、
抑うつの原因となりえる。
抑うつは人生の出来事の一つに対する通常の反応としても起こり、
ごく一部の医学的な症候についてが医学的治療や薬物療法の対象となる。
うつ病として扱われるのは、ほぼ毎日、2~3週間は抑うつであり、さらに著しい機能の障害を引き起こすほど重症である場合である。

(引用元:ウキペディアより)

実家の母の場合は、かれこれ2~3週間は症状が続いております。
特に、不眠と不安が症状の中でも、顕著になっておりました。

ようやく、本人が受診する気になったところで、
私が以前から調べておいたクリニックの中から、ピックアップし、姉に連絡先を教えました。
と、いうのは、姉は薬剤師であり、、何が何でも精神のお薬を服用する事には大反対だったからです。
でも、いくら薬剤師とはいえ、やみくもにお薬を出すわけにもいきません。
信頼している内科のクリニックでも、懸念を示され、なかなかお薬を出してはもらえません。
それは、専門医ではないからなのですが、私が「やはり専門医」と勧めても、なかなか姉も母もそのことを認めてくれません。
「精神科」のイメージがここまで良くないものなんですね・・。
内科は専門外ということで責任を負えない事をようやく理解し、
そこでようやく姉も精神科に連れていく気になり、忙しい姉のスケジュールに合わせられるように、予約の電話をお願いしました。

最終的に決め手となったのは、
1)母の住む場所からほど近い
2)同じ市内
3)口コミ数によると、「話をよく聞いてくれる」「説明が丁寧」
特に、年配者にとっては3)が大切だと思い、徒歩で行ける最も近いクリニックが2つあったのですが、この口コミがなく、
ただ、機械的に薬を出すだけ、という口コミが多かったので、電車で一駅乗った所ではありますが、電話をしました。

結果は・・・やはり、
年齢を告げると「老人はみない」と、電話対応した事務の人に断られてしまいました。
ホームページには、老人のことについても、認知症についても詳しく記載されていたにも、です。
老人は診ないのなら、ホームページにもその旨きちんと記載してよ・・・と思いました。
が、ほどなく、クリニックの院長から姉に電話があり、
今は患者も増え、待ち時間もかかり、設備もないので老人は診ないが、昔勤めていたという老人専門の病院を紹介してくださいました。
そこには、認知症の検査には欠かせないMRIもあるので、わざわざ、他のクリニックに行く手間も省け判断も早いということで
その紹介してくださった病院に電話をすることになりました。
ちなみに姉は・・認知症の判断にMRIが必要であることを知らず、「ふーん、へぇ~」という反応でした。
姉の住んでいる最寄りの駅近くに脳神経科があり、MRI完備で、
以前に姉自身が脳ドックで予約なしでスムーズに検査をしてもらえたので、
MRIは比較的、どの病院にも設置され、予約なしでいつでもスムーズにできる、という認識でした。

紹介してくださった病院は、メインは入院で外来はごくわずかな時間帯しか行っておらず、
しかも、その外来も原則的には入院前提での受診となっているので、積極的に外来は受け付けてはおりません。
以上の事から、誠に申し訳ないのですが、受診した病院名は伏せさせてください

場所的には、南関東沿岸部の市にある病院です。
海岸に接している市ではありますが、病院自体は市境にあり、高台にあります。
母の最寄り駅からタクシーで2400円(昼間)程かかりました。
最初は、家からタクシーを呼んで向かうはずになっていたのですが、母が強く拒否をして、結局、
母の住む最寄り駅まで歩いてそこからタクシーに乗ったのでした。

姉が、母の家まで電車で行き、タクシーで向かい、私は交通機関の関係で直接病院に向かうことになり、
現地待ち合わせとなりました。

病院の脇や近所には同系列の特老の老人ホームがいくつかありました。
眺めはよく、見渡せる場所にあります。
その分、道路は狭く、傾斜もきつく、山道で、自分での運転は大変で技術と細心の注意を要しますが・・・。
軽自動車の方が運転しやすいかもしれません。

外来は殆どないので、患者さんは基本的におらず、病院内はゆったりとしていました。
3枚ある問診票に姉が記載し、私も目を通し、その間に母は先にMRI検査となりました。

臨床心理士による相談室や家族の相談会などの案内も掲示されていました。
家族の相談会は費用は無料でしたが、いやいや大変ですね・・・。
でも、接し方の知識があるのとないのでは雲泥の差となるので、相談会はありがたいと思います。

日帰りのディサービスも行っており、ライトバンの送迎車も駐車しておりました。

問診票を書き終えて受付に渡し、ほどなく母が検査から戻ってきたところで診察開始となりました。
ちなみに、MRIは20分ほどでした。
母いわく、「暖かいので眠くなった、少しうとうとしちゃった」との事です。
何とも言えない磁気音がするはずですが、母は全く気にならなったそうです。
不眠が続いているので、眠れる時に少しでも眠るのは良いことですし。



担当の先生は女性の医師で、問診票を元に、まずは母自身の話を聞いていきました。
最初は「あの~」「その~」「やはり~」となかなか話がまとまらず、要領を得ない話し方ですが、
所々で医師があいづちを、母が話した後で同じ話を言って同意や確認を求めたりしているうちにだんだんと饒舌になってきて、
今ある悩みも話すようになりました。

結果的には、殆ど医師と母との会話でしたが、補足説明として、姉と私が話し、診察時間は30分程でした。

さて、診察の結果ですが・・
・MRIの画像からすると、年齢相当の萎縮はあるものの、認知症による萎縮は確認できないこと。
・長谷川式簡易知能評価スケールの結果は26点。
以上の事から、優先すべき治療は、不安感を減らすこと・・・でした。

症状としては、急性期であり、
・一人にできるだけしない。
・負担になることはせず、やりたいことだけをやる。
・周囲は否定しない。
・できなくても大丈夫。
・無理な人づきあいは避ける。

上記の事を気を付けるように言われました。
また、お薬も処方され、お薬手帳がないので詳しいデータではないのですが、
・レクサプロ 10mg 1錠(分1・夕食後)
・ドンペリドン 5mg2錠(分2・朝夕食前)
・メイラックス1mg 0.5錠(分1・就寝前)
・デパス錠 0.5mg 1錠(不眠時)
上記の薬を1週間服用し、1週間後に再診の予約を取りました。

1週間分の処方にしたのは、処方された薬が合うか合わないかをみるためです。
最初は2週間分と言われましたが、合わない場合の2週間はかなりの苦痛になるので、お願いをして1週間分にして頂きました。
薬の服用の注意点として、
・合わなくとも3~4日分は服用する。
・自己判断で勝手に服用をやめない。

漢方薬は好んで服用する母ですが、それ以外の薬には基本的に抵抗感があり、
案の定「調子よかったら服用止めていいんですよね?」と質問したため、
上記の注意を言われてしまいました。
また、普段服用している「高脂血症」(アトルバスタチン)の薬は引き続き、服用していいとの事でした。

そして、何より大事なのは、この「急性期」をいかに乗り切るか、ということでした。
ここを上手に乗り切らないと、本当に認知症の症状が出て発症する可能性が高く、
また「老人性うつ病」にもなりやすい、とのことです。
不眠と不安が続く母からすれば「え?」となるのですが、医師からすればこれは軽症のうちで、
この段階で受診したことはありがたいことだ、と言っておられました。
大事な「急性期」をうまく乗り切るように引き続きのサポートを姉と私は医師からお願いをされました。

お薬は入院患者が主であるので、院内処方で、全ての金額は7600円ほどでした(8月まで3割負担)。

昼ご飯を食べて一度は家に帰宅しましたが、薬が合わなかった場合の症状を鑑み、姉一家の家に一緒に行くことになり、
私も荷物持ちで、途中まで同行しました。

ここで、語句の説明をします↓
<長谷川式簡易知能評価スケール>
「長谷川式簡易知能評価スケール」。略してHDS-Rと言います。
長谷川式というのは、長谷川和夫先生(1929年生まれ)の名前から由来しております。
認知症医療業界の重鎮だそうです。
この長谷川式の検査の性質は、スクリーニング検査であり、認知症かどうかを、「とりあえず分けてみる」という類いの検査です。
実際に認知症かどうかを判定するためのものではなく、あくまで、目安とのことです。
厳密に言えば、この検査だけでは認知症の有無はわからない、ということです。
「長谷川式が満点(30点)なら、絶対、認知症ではない」そんなことはない、ということです。
(参考:ヨミウリオンライン ヨミドクターより)

受診して3日目・・・
薬が合わず、しびれや震え、熱感やドキドキ感がしたとのことです。
また、朝方には、いてもたってもいられず、歩き回ってしまったそうで、特にメイラックスが合わないそうです。
やっぱり、一人にしないで、姉の処に行って良かったです。
次の受診日には勿論、付き添います。

今回は、少々長い記事となってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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