<キャスト>(敬称略・順不同)
辻沢ハリカ(つじさわはりか)→広瀬すず
林田亜乃音(はやしだあのね)→田中裕子
持本舵(もちもとかじ)→阿部サダヲ
青羽るい子(あおばるいこ)→小林聡美
中世古理市(なかせこりいち)→瑛太
花房万平(はなぶさまんぺい)→火野正平
青島玲(あおじまれい)→江口のりこ
日本テレビ系 水曜日 22時から放映中です。
第6回は2月14日放送予定です。
【第6回】
亜乃音(田中裕子)たちは印刷機の使い方を学ぶつもりで招いた理市(瑛太)から、ニセ札作りへの協力を迫られる。
ハリカ(広瀬すず)とるい子(小林聡美)、舵(阿部サダヲ)は迷惑をかけた亜乃音のために理市を突っぱねつつも、それぞれ心の内には思うところがあって…。
翌日一人で理市の弁当屋を訪ねようとしたハリカは、小学校をサボっていた玲の息子・陽人(守永伊吹)に遭遇し、思いがけず仲良くなる。亜乃音と共に、陽人の感性の豊かさに驚くハリカだったが、周りと同じように振舞えないために学校で浮いてしまう陽人が、自分の個性や自由な発想に罪悪感を感じていることにかつての自分を重ね、胸が苦しくなってしまう。
そして、ニセ札作りに足を踏み入れようとしている舵に気付いたるい子は止めようとするが、舵は珍しく声を荒げて反論する。そして、るい子は舵が探していたニセ札用のサンプルの紙をハリカに捨てに行かせるが…。
一方、玲(江口のりこ)が再婚しようとしている相手が妻子のいる理市だと知った亜乃音は、理市を呼び出し、玲を傷つけないでほしいと頼むが、そこで理市はある火事の話をし始める…。かつてお金によって人生を狂わされた理市の不気味な導きによって、四人はニセ札作りの道へ引き込まれようとしていた…。
引用元:日本テレビ水曜ドラマ公式サイト 「anone」より
制作陣の名前から気にはなっていたドラマでしたが、見る暇が全くなく、ようやく時間が出来たころ、
録画しておいた1~4話までを一気に見て、続けて第5話を見ました。
画質のタッチが、どこかメルヘンかつノスタルジーを感じさせる色調で、ああこれは童話なのだな・・・というのが第一印象です。
特に第4話では、二組の母と娘の関係が描かれ、それぞれの立場や境遇、特に、幻の娘アオバの存在に号泣してしまったのでした。
↓↓第4話↓↓
【第4話】
西海(川瀬陽太)にニセ札の身代金を掴ませ、亜乃音(田中裕子)に引き出させた現金一千万円を持ち逃げしたるい子(小林聡美)は、自分のアパートへと戻る。
部屋には謎の女子高生・アオバ(蒔田彩珠)がいて…。
実は「アオバ」は、高校時代に予期せぬ妊娠で死産を経験したるい子が、生まれてくるはずだった娘につけた名前。
るい子はその時から自分の中で実体化してしまったアオバの幻影と親子のように、時には友人のように過ごしてきたのだった。
結婚し息子が生まれたるい子の前から姿を消していたアオバが再び現れ、現在のるい子が一人暮らしをしているのには深い訳があった。
一方、西海の持っていたニセ札を偶然手に入れた理市(瑛太)は、再び林田印刷所を訪ね、印刷機が最近使われた形跡があることを密かに確かめていた。
誘拐事件以来、亜乃音の元に身を寄せるハリカ(広瀬すず)は、自分のせいで失った大金をまるで気にしない亜乃音に感謝しつつも、
高額な先進医療を受けるしか治療方法の無い彦星(清水尋也)の体調を心配していた。
カレーショップ跡で舵(阿部サダヲ)を見つけたハリカは、るい子がお金を持ち逃げしたと知り、
るい子を見つけ出しお金を取り返そうと舵と決意。
その頃、仕事の合間にふと娘・玲(江口のりこ)の仕事先を覗いた亜乃音は、下校中の玲の息子・陽人(守永伊吹)を見かけ
束の間の交流をする。送り届けた亜乃音に鉢合わせた玲は「夜時間が無いか」と聞く。
るい子の息子の電話番号を頼りにハリカと舵がたどり着いたのは高級タワーマンション。
しかし、同居していた姑・百合恵(高林由紀子)からるい子がある時から「おかしなこと」を言い出し半年前に出て行ったと知らされる。
その帰り、二人はマンションを訪ねようとしていたるい子とばったり遭遇する。
良き妻良き母として懸命に専業主婦であろうとしたるい子だったが、
いつしか姑や夫、息子・樹(武藤潤)からも疎ましく思われる存在になっていた。
息子の樹に一緒に家を出ようと誘うが、専業主婦には金もなく無理だとあっさり拒否されてしまう。
るい子はそんな息子と一緒に暮らすために大金を必要としていたのだ。
しかし、ひとり暮らしのアパートに隠し持っていた一千万円が盗まれてしまい、るい子は、姑や夫のもとに帰ることを決意。
お金は必ず返すと言うが、そんなるい子を引き留めるため、舵はるい子に思わず「好きだ」と想いを打ち明ける。
半年ぶりに家に戻ったるい子は最後という約束で息子の樹と二人だけの時間を過ごす。
幸せだったのも束の間、姑、夫だけでなく樹までも結局るい子の元を去って行った。
一人取り残されたるい子は離婚届にサインをし、唯一最後まで側に寄り添ってくれているアオバに対し、
まだそっちには行けないと告げ、別れの時を迎えた。
全てにけじめをつけたるい子は警察に自首するというが、ハリカと舵は亜乃音の元に行って話してみようと提案。
るい子もハリカ、舵とともに亜乃音の元に向かう。
一方、亜乃音は玲から再婚の報告を受け、二度と自分たちに近づかないよう釘を刺される。
それでも亜乃音は娘の幸せに嬉しい思いを噛みしめる。
しかし、アパートに帰ってきた玲を陽人と共に迎え入れたのは妻子がいるはずの理市だった。
引用元:日本テレビ水曜ドラマ公式サイト 「anone」より
お母さんと娘、これは実際に母と私、私と娘、という関係を持つ以上、永遠のテーマでもあります。
最近のニュースでも、絵本作家が手掛けたおかあさんの応援歌の歌詞が、実際のお母さん方からの大炎上という事もあります。
また、TBSの火曜ドラマ「きみが心に棲みついた」で主人公の挙動不審で自己肯定感が著しく低い性格は母からの影響という設定です。
毒親という言葉もある通り、親子の関係の在り方について、いろいろと報道されている今日この頃です。
きみが心に棲みついた第3回の感想と第4回は?~今クールドラマあれこれ~
このドラマでは、一組は、血のつながらない親子、もう一組は存在しない幻影としての娘として登場しました。
特に、幻影としての娘は、幻影であるからこそ、理想形の娘として親にとって居心地の良い存在でした。
でも、しょせんは存在しないので、理想の娘はやがては消えてゆきます。
一筋の希望を残して・・・。
リアルに存在する母と娘はあつれきがあって、思い通りにならず、決して報酬を求めてはならない(求めても無意味)ものと
改めて認識させられるのでした。
この世に生まれて物心ついたころから、成長して学生でも、社会人になってもずっと優劣を競わされ、
承認されることで存在を確認され、育ってこんにちまで生きてきたのですから、
その承認を否定される子育てにおいて戸惑ってしまうことは当然のことです。
親になる・・ということは、自己犠牲だの、子育ては素晴らしいだの、それは全て承認要求ですから、
そんな承認要求なんてどうでもいいから、とにかくこの子を育てたい!ということでしょうね。
母の母の口癖は常に「子供のためにやってやっている」で私の母も「こんなに尽くしている」でした。
子供は理解していますが、当然のように口に出されると「だから?では生まれなきゃよかった?」と卑下してしまい、
やがては、理想の子供にならなくてはならぬと呪縛にかかってしまうのです。
一方の、血は繋がらないけれども母と娘として19年間過ごした亜乃音と玲はどうでしょうか?
まだ、ドラマはようやく中盤にさしかかる処ですので、玲の気持ちはわかりませんが、
おそらくは亜乃音に甘えているのかな?と私は思います。
実の母ではなかった亜乃音に対して、遠慮するどころか、まるで反抗期の中学生のような態度をとっているのですから。
私は、母には常にどこか遠慮していましたので、悪態をつける相手というのは、やはりどこかで気を許しているのかなと思うのです。
ドラマの終盤で、亜乃音と玲の和解があるといいなと思います。
玲の態度を黙って受け入れている亜乃音の姿は、お土産用のいちご(苺)を渡そうとして拒否されても、紛れもなく母親なのでした。
私は、子供に対して、まだまだそこまでは達していません。
子供が思春期になった今、亜乃音のように「一歩引いて」見守る姿勢が大切なのだと思いました。
そして、第4回に感じたことは第5回へとつながっていきます。
【第5回】
ハリカ(広瀬すず)は、そんな日常の出来事をいつものようにチャットゲームで報告し、彦星(清水尋也)を元気づけようとするが、ある日突然彦星のログインが途絶え…。一方、印刷所で目眩を起こした舵を助けた理市は、るい子と舵が亜乃音の家で世話になっていることを知る。その頃、病院の窓から彦星の病室が片付けられているのを見たハリカは、慌てて院内へ駆けつける。すると、彦星が集中治療室に入っていること知り…。
最近、様子がおかしく帰りが遅いハリカを心配した亜乃音は、電話をかけるが、ハリカはわざと明るく振る舞う。「またそっち行くから」と答えるハリカに対し、亜乃音は、自分たちの住む家がハリカにとってはもう“帰るところ”だからね、と話す。亜乃音の言葉を聞いたハリカは震える声で病院にいることを打ち明け…。
引用元:日本テレビ水曜ドラマ公式サイト 「anone」より
病室の前で立ち尽くし、手が凍えてかじかんでしまうハリカに対して、その冷たい手を包むように重ねて擦る亜乃音の描写は、
その温度が本当に伝わるようでした。
本当にかすかな温もりでしかないのですが、本当に暖かいのです。
私も、時々子供に同じようについ、してしまいます。
「お母さん、冷たいよ~あっためて」と当たり前にいって手を差し出す子供にあたり前に暖めてしまう私です。
そして、前髪に隠されいた、もう一つの目がずっと気になっていました。
カノン(彦星君)が集中治療室に運ばれる前にハリカは外でチャットをしていたのですが、
決して弱くない風がハリカに容赦なく吹き付け、髪をはためかせますが、決して前髪が上がることなく、おろしたままで、
前髪で隠れてしまっているもう一つの目が見えることはありませんでした。
冬の乾いた冷たい風に身を任せるようにしてチャットをするハリカですが、決して前髪は上にはいきません。
でも、亜乃音とのやりとりの中でついにその隠されていたもう片方の瞳が現れるのです。
「行くところではなくて帰るところ」「何もできなくてもそばいにる」という亜乃音の言葉に、
ハリカはずっと閉じていた胸の内を次第に開けて、それはビジュアル的に、ずっと片目しか見えていなかった
もう一つの瞳が両目になるのでした。
実際には亜乃音が「前髪伸びすぎ」と言って切るのですが、ハリカの瞳が両目になってよかったです。
そして、両目が見えているハリカの前には人生初のなべ料理が出されました。
あっつあっつの鍋が運ばれ、湿った暖かい蒸気が部屋の中に流れ、さあいよいよ・・・という処でダークな展開が待っていたのでした。
皆で鍋料理をという誘いを拒否した中世古理市はにせ札作りの事をおもむろに説明しだしたのでした・・・。
第6回、登場人物が交差したところで物語がいよいよ動き出します。